失敗事例から学ぶ、相続を成功させる秘訣
相続においては、節税対策ばかりに目を奪われたて争族になったり、安易な遺言書や分割対策を行って思わぬ相続税が課されることになってしまったという失敗事例が後を絶ちません。
下記に挙げるような失敗事例は、ほんのごく一部の事例です。当事務所では、お客様の相続において、できるかぎりこのような事態にならないように、これまでの経験とノウハウを活かしたきめ細かいサービスを提供しております。
相続についてご不安な点やご相談になりたいことがございましたら、お気軽に電話又はお問い合わせフォームからお尋ねください。
初回面談無料で相続税を専門にする税理士が親身になってご相談に対応させていただきます。
失敗事例1:相続税対策で不動産を共有名義にしていて、兄弟で争いに。
父の生前、相続税対策を目的に、兄が主導で父の所有する不動産を子ども3人の共有名義にしてありました。父が亡くなった数年後、その土地の使用・活用方法について兄弟間で争いが生じ、家族の絆が脅かされる状態に。
こうした不動産を共有名義にしたことで、後々その不動産の利用方法について争いに発展するというケースはよくあります。こうしたケースでは、遺産分割協議でその解決策について十分に話し合って検討しておくべきです。
不動産については安易に共有名義にするのではなく、しっかりと家族で話し合って不動産ごとに所有者を分けるようにしましょう。どうしても難しい場合は、代償分割などの手段をとることもできます。
失敗事例2:祖父の相続財産をめぐり、伯父と裁判所で遺産の調停事件に
祖父が亡くなり、その数年前に父が死去していたため、父の相続分を私たち兄弟2人が代襲相続することになりました。父は次男であったこともあり、長男であった伯父さんが相続税申告から遺産分割まで主導して進めていったものの、分割案及び相続財産の額があまりにも生前に父や祖父から聞いていた財産、額と異なっていました。
これでは父がかわいそうだし、おかしいということでご相談に。
結果的に、伯父さんと疎遠になっていたこともあり、感情的な対立となって泥沼の争いとなってしまい、家庭裁判所で遺産についての調停事件にまで発展してしまいました。
先に親が亡くなっていて、祖父母の相続を伯父・伯母と遺産分割することになるケースでは、こうした争いが起きてしまいがちです。特に親戚関係で疎遠になってしまっている場合はなおさらです。
できれば、お父様が亡くなられた後で、祖父の方がお元気なうちに相続人の方としっかりと話し合う場をもって、遺言書を作成しておくことが望ましかったのですが、このケースでは、伯父の依頼で相続税申告を作成した税理士にも責任があります。経験を積んでいればこうした争いになることはすぐに予見できたはずで、相続人間での話し合いの場を設けるなど、専門家としての最適な提案、アドバイスができたはずです。
税理士としては、依頼人の意向を忠実に反映しただけかもしれませんが、これでは本当のプロの専門家とは言えません。相続人で争うことなく円満に相続できるように対応することが本当のプロであると我々は考えております。
失敗事例3:先妻の子と、後妻とその子と相続争いに
父は、母の死後私たち二人の兄弟を大学まで出してくれました。しかし、その後父は再婚し2人の姉妹をもうけました。義母とは折があわず疎遠になっていった矢先、60歳を前に父が突然他界。
後妻の義母が財産の内容の調査に協力してもらえず、結局、前妻の子である兄弟と後妻およびその子である姉妹で相続争いに。
親が再婚し、後妻との間に子を設けている場合、このように遺産分割協議で争いになるというケース少なくありません。後妻との関係が良好な場合は、相続が発生した後でも話し合いをもつことはできますが、関係が悪い場合は争いになる可能性が高くなります。
こうしたケースに関わらず、相続人となる方々の関係が悪い場合は、遺言書を作成しておくなど生前にできる限り対策を行っておくことが望ましいです。
失敗事例4:マイホームを購入した為に、実家の土地の評価減を受けられず
結婚後、一人住まいの母親の面倒もみないといけないので同居していたが、子供ができたことをきっかけに妻の希望を聞いて近くにマイホームを購入して住み始めたところ、半年後に母が急病を患い他界。
自宅の土地以外に目立った財産もなく、自宅の土地は評価減が受けられると聞いて相続税かからないと思い込んでいたが、小規模宅地等の評価減を受けるためには、同居している必要があったため、適用を受けることができずに相続税を支払わないといけなくなってしまった。
平成27年1月より発生した相続では、基礎控除額が「5,000万+1,000万×法定相続人の数」から「3,000万+600万×法定相続人の数」と大幅に減額されてしまいましたので、都市部の相続では、資産家でなくとも自宅の評価が高くて相続税申告が必要になるケースが出てきています。
特に昔と異なり、親と同居せず別にマイホームを購入して住んでいる場合が多くなっていますで、このケースのように配偶者が既に亡くなっている実家の土地について小規模宅地等の評価減を受けられないケースが増えてきています。
小規模宅地等の評価減を受けられるかどうかで評価が大きく変わりますので注意が必要です。上記のケースでは、もし土地に余裕があれば2世帯住宅を建てていれば、こうした問題を解決することもできたかもしれません。
失敗事例5:土地の境界未確定が原因で、多額の立会料を支払うことに
地元では大地主として知られる父が他界。多額の相続税の支払いに、相続した土地の一部を売却して納税しようと考えていたのに、不動産業者と売却の交渉し始めたところ、土地の境界が未確定であることが発覚。土地の境界を知る父が亡くなり、相続税の申告期限が迫る中、隣地の人の言い分を聞いて多額の立会料を支払うことになった。
先祖代々の昔からの土地であったり、昔から住む人ばかりの地域である場合、隣地との境界が未確定のままになっているケースは結構あります。境界について昔からの状況を知る人がいなくなってしまうと、境界の確定にもめて時間がかかることもあります。
このケースのように、相続した土地を売却して納税資金に充てるために、申告期限に間に合うように止む無く不要な費用を支払わないといけなくなったり、不利な境界の線引きになってしまうのはもったいない話です。
相続人が困らないように土地の事情を知っている者として、生前に未確定のままになっている土地の境界を確定させておくことも立派な相続対策です。